暗号通貨の第1号は2008年10月。「サトシナカモト」という革命児がビットコインを発明し、世の中に発表したのが暗号通貨の始まりでした。当時は「暗号通貨って何?」といった懐疑的な風潮でしたが、現代では暗号通貨の存在は法定通貨と並ぶに等しいポジションまで成長しまています。さてこの先、暗号通貨が決済やエンターテイメントなどで主軸になってくると、一体テクノロジー分野にどのような影響が出てくるのでしょうか?
ビットコインを筆頭に優良暗号通貨はオンライン麻雀やオンラインショッピング等でも利用できます。もちろん、決済面でも便利になりつつありますがが、ここでは暗号通貨がテクノロジーにどのような影響を与えるのか?この点について考えてみたいと思います。
フィンテックが銀行システムをブロックチェーン化
暗号通貨はネット上にのみに存在する通貨。一方、法定通貨は国が発行するもので銀行といった金融機関が管理する通貨です。この2極化した通貨形態の間で何が起こっているか?実は、互いの歩み寄りが始まっているのです。暗号通貨の利用が急激に増していることを受けて、銀行のシステム基準を見直そうという動きが出ています。
人々の間では暗号通貨が主要決済方法になってくると「銀行システムは要らないのではないか?」という考え方も出てくるでしょう。こういった新しい思想を受けて、銀行でも暗号通貨のプラットフォームであるブロックチェーン技術を要所に採用する動きが見られています。例えば、英国銀行大手の「サンタンデール銀行」では国際送金でリップルのブロックチェーンを採用しています。その他、国内銀行でも数社が暗号通貨を開発する予定を立てており、銀行のシステムが暗号通貨の躍進に影響を受け、様変わりしている状況が見受けられます。
金融機関ではAI搭載のシステムを積極的に導入
暗号通貨を含め、これから注目されるフィンテックはAI技術をフルに活用したものが多く登場してくるでしょう。身近な例ではスマホでの送金システムがありますが、金融市場を中心に資金の借り手と貸し手の間で無駄な行程を挟まず、直接取引ができる決済システムが開発されていくことが予測されます。
利用者にとっては暗号通貨が技術に与える「良い影響」と言えますが、ブロックチェーン技術を搭載する金融機関の視点からは、多額の投資、従業員トレーニングなど、システム導入での出資は否めません。
暗号通貨高騰でサイバーセキュリティにも影響が!
さて、こちらはネガティブな影響です。2021年から2022年にかけて暗号通貨の価格がドランチックに上昇していますよね。すでに暗号通貨の規模は2兆ドルは遥かに上回り、デジタル通貨の王様であるビットコインは6万ドルを超える高額を叩き出しています。
このようなブル相場傾向が他の優良アルトコインでも見られているため、企業投資家が”ある”手法を用いて市場を攻撃し始めています。これが「クリプトジャッキング」の存在。ネットワークを介して遠隔から標的ユーザーのコンピューターにマルウェアを送り付け、サイバー犯罪者が利益を盗むというものです。暗号通貨市場は格好のターゲットになっているというわけですね。
このような攻撃の嵐を受けて「サイバーセキュリティ分野」にも影響が出ています。実際は、FBIのリカバリーアセットチーム(RAT)など世界レベルのセキュリティチームの強力で、不正送金や資金洗浄のトラッキングは可能だとされています。そうは言いながら、個人投資家は暗号通貨の取引や要求に対して最新の注意を払って臨むべきでしょう。疑わしいファイルやメールは即座に削除し触らないように心掛けて下さい。
ビットコインをはじめ、イーサリアム、ドージコイン、カルダノ、リップといった将来的に有望とされるアルトコインも徐々に私たちの生活の中にも浸透し始めています。暗号通貨はもはや架空のものではなく、実際に利用できる便利な決済手段にもなってきました。利用者の増減に伴い、暗号通貨の取引システムを攻撃する悪者たちもいるということを忘れず、安全な取引を行うようにしたいですね。
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